ベトナム求人・仕事|R-Vietnam  

>> >> ベトナムの労働時間と祝日・休暇【2025年最新版】

ベトナムの労働時間と祝日・休暇【2025年最新版】

Jun 18, 2025
ベトナムの労働時間と祝日・休暇【2025年最新版】


ベトナムに進出・拠点展開を検討されている、あるいはすでに現地でビジネスを展開している日系企業にとって、現地の労働法制の理解は避けて通れない課題です。

特に「労働時間」「残業の上限」「祝日や有給休暇」といった制度は、現地人材の採用・マネジメント・就業規則の策定に直結するため、早い段階での把握が求められます。

ベトナムの労働法は、2019年11月に改正され、2021年1月1日から新法が施行されています。この改正では、労働時間の柔軟化や退職年齢の見直し、祝日の追加など、実務に影響するポイントが多く含まれており、日本と同じ感覚での運用は通用しないケースも増えています。

本記事では、ベトナム労働法の基礎知識として以下の3つのトピックをわかりやすく整理しています:

1. 労働時間と勤務形態
2. 残業のルールと手当の支払い条件
3. 祝日・休暇制度とベトナム特有の慣習(旧正月テトなど)

特に現地従業員との雇用契約の締結や、オフィス・工場の就業管理を担当されているご担当者にとっては、実務に即した知識として必ず押さえておきたい内容です。
記事後半では、ベトナム独自の文化や祝日の過ごし方についても触れています。制度面だけでなく現地の価値観や慣習も理解することで、より円滑なマネジメントや人間関係構築に役立てていただければ幸いです。

【目次】

1.ベトナムの労働時間の基本
   1.1 法定労働時間の上限と推奨制度
   1.2 国際比較:日本やILOとの違い

2. 残業とその規制
   2.1 時間外労働のルールと上限
   2.2 違反時の罰則と企業リスク
   2.3 残業代の支払い

3. ベトナムの祝日と休暇制度
   3.1 有給休暇の制度
   3.2 法定祝日の一覧
   3.3 ベトナムの旧正月「テト」とは

4. まとめ

 

1. ベトナムの労働時間の基本

法定労働時間の上限と推奨制度

第105条 通常の労働時間
1.通常の労働時間は1日に8時間及び1週間で48 時間を超えない。
2. 使用者は、1日あたり、1週間あたりの労働時間を規定する権利を有するが、労働者に通知しなければならない;1週間あたりで規定した場合,通常の労働時間は1日に10時間を超えず、1週間で48 時間を超えない。国家は,使用者が1 週間あたり40 時間労働を実施することを奨励する。


日本の労働法では、労働時間は1日8時間・週40時間と定められています。一方、ベトナムでは週6勤務の企業も多く、法定労働時間は週48時間となっています。
しかし、近年では労働環境の改善が進み、国家も40時間労働を推奨しているため、週40時間勤務を採用する企業も増えてきています。
これは世界的な労働時間の基準に合わせる動きの一環であり、特に外資系企業や大企業では、より柔軟な労働時間を導入する傾向が見られます。

国際比較:日本やILOとの違い

世界的に見ると、多くの国が週40時間の労働時間を標準としており、それと比較するとベトナムの労働時間は依然として長いと言えます。

ILO(国際労働機関)が発表した週あたりの平均労働時間(2024年)を見ても、日本は36.6時間となっており、法定労働時間よりもやや短い傾向にあります。一方で、ベトナムの平均労働時間は41.6時間で、日本よりも約5時間長いことが分かります。
これは、労働者の勤務形態や企業の方針による違いも影響しており、特に製造業やサービス業では長時間労働が常態化している場合もあります。

2. 残業とその規制

時間外労働のルールと上限

第107条 時間外労働
2.使用者は,以下の要求を全て満たす場合に,労働者を時間外労働させることが出来る
  a) 労働者の同意を得なければならない
  b) 労働者の時間外労働時間は 1 日における通常の労働時間の 50%を超えないことを保証する;1 週間あたりの通常労働時間の規定を適用している場合は,通常の労働時間と時間外労働時間の合計が1日あたり12時間を超えない;1か月あたりで40時間を超えない
  c) この条3項が規定する場合を除き,労働者の時間外労働時間が1年あたり200時間を超えないことを保証する


日本の労働基準法では、残業は月45時間・年360時間以内と定められているので、ベトナムの方が厳しい制限であるといえます。
しかし、日本では例外として労働基準法36条に基づき法定労働時間を超えて時間外労働(残業)が可能となります。36協定により、1ヶ月45時間、年間で360時間を超えない範囲で時間外労働が認められます。

*時間外労働の上限は、月45時間・年360時間となり、臨時的な特別の事情がなければこれを超えることはできません。
*臨時的な特別の事情があって労使が合意する場合でも、年720時間、複数月平均80時間以内(休日労働を含む)、月100時間未満(休日労働を含む)を超えることはできません。また、月45時間を超えることができるのは、年間6か月までです。

違反時の罰則と企業リスク

また、法定の時間外労働の上限を超えて時間外労働をさせたとき、使用者が法人の場合だと、1億2000万ドン以上1憶5000万下以下の罰金(政分28号17条4項•5条1項)がかされます。

以前の2019年に発行された際には月あたりの残業時間は40時間ではなく30時間でした。 これまで政府当局に対して残業時間制限の上限緩和を求める意見が多くあったことを受け、2023年にひと月あたりの残業時間の上限規制を従来の30時間から40時間へと緩和されました。しかし、旧法第106条に規定されている原則年間200時間までの残業時間上限には変更はありませんでした。なので、年間で考えたときに200時間を超えないように注意する必要があります。

ただし、法令では一部の産業や分野では1年間に300時間の残業をすることが許されています。こちらでは詳細は割愛します。(詳しくは第107条3項をご覧ください。)
ベトナムでは、近年の経済成長に伴い、特に都市部の企業では労働環境の改善が進み、リモートワークの導入やフレックスタイム制を採用する企業も増えてきています。

残業代の支払い

第98条 時間外労働,深夜労働の賃金
1.時間外労働をした労働者は,以下のように,賃金の単価又は現在の業務により実際に支払われた賃金に従って計算された賃金の支払いを受ける:
  a) 通常の日の場合,少なくとも 150%
  b) 週休日の場合,少なくとも 200%
  c) 祝日,旧正月、有給休暇の場合、少なくとも 300%
日給の労働者については祝日、旧正月、有給休暇の賃金をさらに支払う。
2.深夜に労働する労働者は,単価又は通常の勤務日の業務に従って実際に支払われた賃金の少なくとも 30%の割増賃金が支払われる。


これを見ると残業手当が日本に比べて高いレートで設定されていることが分かります。
ベトナムは労働時間の上限が日本よりも長く、週48時間労働が一般的な企業も多いです。そのため、過度な長時間労働を防ぐために、高い割増率を設定し企業に負担をかけることで、残業を抑制する狙いがあるようです。

3. ベトナムの祝日と休暇制度

有給休暇の制度

ベトナムでは、労働法第111条第1項に基づき、労働者には年間12日の有給休暇が法定で認められています。この有給休暇は、勤続5年ごとに1日ずつ加算される仕組みです。
また、重労働や危険作業など特定の職種・環境で働く労働者には、追加の有給休暇が認められることもあり、職種や勤務条件によって差異が生じる点が特徴です。
未使用の年次有給休暇は、翌年への繰り越しが可能であり、退職時には未消化分の買い取りが義務付けられています。この点は日本と共通する部分でもあり、企業・従業員の双方にとって計画的な取得が求められます。
さらに、ベトナムでは年次有給休暇の取得率が比較的高い傾向にあります。背景には、旧正月(テト)をはじめとする長期休暇を家族と過ごす文化が根付いていることが挙げられます。実際、テト休暇と有給休暇を組み合わせて10日以上の連休を取得するケースも珍しくありません。
近年では、企業側も従業員の有給取得に理解を示すようになっており、年次休暇の計画的な取得を奨励する企業も増加傾向にあります。こうした法制度の整備と文化的背景の両面から、休暇を取得しやすい環境が徐々に整いつつあると言えるでしょう。

法定祝日の一覧

第112条 祝日、旧正月
1.労働者は、以下の祝日、旧正月に有給で休むことができる
  a) 陽暦の正月:1日(陽暦の1月1日)
  b) 旧正月:5日
  c) 戦勝記念日:1日(陽暦4月30日)
  d) 国際メーデー:1 日(陽暦5月1日)
  đ) 建国記念日:2日(陽暦9月2日とその前又は後の1日)
  e) フン王記念日:1日(陰暦3月10日)


*公休日に関しては企業によって異なる可能性があります。
ベトナムの祝日は 年間11日となります。日本の祝日は、G7で最多の16日あります。
しかし、ベトナムでは旧正月(テト)などの長期休暇があり、祝日以外にも有給休暇を組み合わせて連休を取得する文化が根付いています。

ベトナムの旧正月「テト」とは


ベトナムの旧正月「テト」とは

ここで、ベトナムの旧正月(テト)についてご紹介します。

テト (Tết) とは、ベトナムにおけるお正月です。日本のように毎年1月1日がお正月というわけではなく、旧正月の日付でお正月をお祝いします。そのため、元日の1月1日だけ休みで、1月2日から仕事や学校が始まる人が多いです。

旧正月は、中国・台湾・シンガポール・韓国・ベトナム・マレーシアなど、アジア各国を中心に祝われています。なお、主に中国や台湾では、旧正月のことを春節と呼びます。中国と近い日本でも、春節という言葉を聞いたことがある人は多いのではないでしょうか。ベトナムでは、テト期間に家族で集まり伝統料理を食べ、お祝いをします。

2025年の旧暦1月1日は2025年1月29日(水)にあたるため、2025年は1月29日(水)が”テト”となります。

<2025年テト休暇スケジュール>
1月27日(月) テト休暇
1月28日(火) 大晦日
1月29日(水) お正月(テト)
1月30日(木) テト休暇
1月31日(金) テト休暇

今年は、前後に土日がある為9連休の大型連休になったようです。テト休暇は郊外出身者が地元に帰省をするため、街の移動が大変混雑します。混雑をさけるため、少し時期をずらして帰省する人も増えているようです。

日本とは異なる文化で、1年で最もベトナムの特色を感じられるシーズンの1つですよね。テトの時期には、街中にお祝いの装飾品が飾られるので、とても華やかになります。

まとめ

ベトナムの労働時間は日本よりも長い傾向にありますが、残業時間の規制は日本より厳しくなっています。また、祝日は日本より少ないものの、旧正月(テト)などの長期休暇があり、休暇の取り方には柔軟性があります。特にテト期間は、ベトナム独自の文化を色濃く反映した祝日であり、日本とは異なるお正月の過ごし方を体験することができます。

こちらのページは、下記のサイト及び資料を参考にしています。
<参考サイト>
祝祭日 | ベトナム - アジア - 国・地域別に見る - ジェトロ
労働基準に関する法制度 |厚生労働省
ベトナム労働法の現状 第2回「労働条件②」―時間外労働、有給休暇、労働契約の終了、懲戒処分

<参考資料>
ベトナム労働法2019 – JICA国際協力機構
https://www.jica.go.jp/Resource/project/vietnam/021/legal/ku57pq00001j1wzj-att/labor_law_2019.pdf
Statistics on working time2024ーILO国際労働機関
https://ilostat.ilo.org/topics/working-time/
Hours worked2022 - OECD
https://www.oecd.org/en/data/indicators/hours-worked.html
厚生労働省
https://www.mhlw.go.jp/content/000350731.pdf

ベトナムの労働環境や採用・就業ルールを詳しく知りたい方は、「ベトナム採用ガイドブック」をぜひご活用ください。
このガイドブックでは、現地の労働法、採用実務、人事制度に関する重要な情報をまとめています。ベトナム市場の理解から採用プロセスの設計、雇用契約のポイントまで、実践的な知識が得られます。

採用ガイドブックをダウンロード

 

ご相談はこちらから 

企業・法人様向けブログ

ベトナムの労働時間と祝日・休暇【2025年最新版】

Jun 18, 2025
ベトナムの労働時間と祝日・休暇【2025年最新版】


ベトナムに進出・拠点展開を検討されている、あるいはすでに現地でビジネスを展開している日系企業にとって、現地の労働法制の理解は避けて通れない課題です。

特に「労働時間」「残業の上限」「祝日や有給休暇」といった制度は、現地人材の採用・マネジメント・就業規則の策定に直結するため、早い段階での把握が求められます。

ベトナムの労働法は、2019年11月に改正され、2021年1月1日から新法が施行されています。この改正では、労働時間の柔軟化や退職年齢の見直し、祝日の追加など、実務に影響するポイントが多く含まれており、日本と同じ感覚での運用は通用しないケースも増えています。

本記事では、ベトナム労働法の基礎知識として以下の3つのトピックをわかりやすく整理しています:

1. 労働時間と勤務形態
2. 残業のルールと手当の支払い条件
3. 祝日・休暇制度とベトナム特有の慣習(旧正月テトなど)

特に現地従業員との雇用契約の締結や、オフィス・工場の就業管理を担当されているご担当者にとっては、実務に即した知識として必ず押さえておきたい内容です。
記事後半では、ベトナム独自の文化や祝日の過ごし方についても触れています。制度面だけでなく現地の価値観や慣習も理解することで、より円滑なマネジメントや人間関係構築に役立てていただければ幸いです。

【目次】

1.ベトナムの労働時間の基本
   1.1 法定労働時間の上限と推奨制度
   1.2 国際比較:日本やILOとの違い

2. 残業とその規制
   2.1 時間外労働のルールと上限
   2.2 違反時の罰則と企業リスク
   2.3 残業代の支払い

3. ベトナムの祝日と休暇制度
   3.1 有給休暇の制度
   3.2 法定祝日の一覧
   3.3 ベトナムの旧正月「テト」とは

4. まとめ

 

1. ベトナムの労働時間の基本

法定労働時間の上限と推奨制度

第105条 通常の労働時間
1.通常の労働時間は1日に8時間及び1週間で48 時間を超えない。
2. 使用者は、1日あたり、1週間あたりの労働時間を規定する権利を有するが、労働者に通知しなければならない;1週間あたりで規定した場合,通常の労働時間は1日に10時間を超えず、1週間で48 時間を超えない。国家は,使用者が1 週間あたり40 時間労働を実施することを奨励する。


日本の労働法では、労働時間は1日8時間・週40時間と定められています。一方、ベトナムでは週6勤務の企業も多く、法定労働時間は週48時間となっています。
しかし、近年では労働環境の改善が進み、国家も40時間労働を推奨しているため、週40時間勤務を採用する企業も増えてきています。
これは世界的な労働時間の基準に合わせる動きの一環であり、特に外資系企業や大企業では、より柔軟な労働時間を導入する傾向が見られます。

国際比較:日本やILOとの違い

世界的に見ると、多くの国が週40時間の労働時間を標準としており、それと比較するとベトナムの労働時間は依然として長いと言えます。

ILO(国際労働機関)が発表した週あたりの平均労働時間(2024年)を見ても、日本は36.6時間となっており、法定労働時間よりもやや短い傾向にあります。一方で、ベトナムの平均労働時間は41.6時間で、日本よりも約5時間長いことが分かります。
これは、労働者の勤務形態や企業の方針による違いも影響しており、特に製造業やサービス業では長時間労働が常態化している場合もあります。

2. 残業とその規制

時間外労働のルールと上限

第107条 時間外労働
2.使用者は,以下の要求を全て満たす場合に,労働者を時間外労働させることが出来る
  a) 労働者の同意を得なければならない
  b) 労働者の時間外労働時間は 1 日における通常の労働時間の 50%を超えないことを保証する;1 週間あたりの通常労働時間の規定を適用している場合は,通常の労働時間と時間外労働時間の合計が1日あたり12時間を超えない;1か月あたりで40時間を超えない
  c) この条3項が規定する場合を除き,労働者の時間外労働時間が1年あたり200時間を超えないことを保証する


日本の労働基準法では、残業は月45時間・年360時間以内と定められているので、ベトナムの方が厳しい制限であるといえます。
しかし、日本では例外として労働基準法36条に基づき法定労働時間を超えて時間外労働(残業)が可能となります。36協定により、1ヶ月45時間、年間で360時間を超えない範囲で時間外労働が認められます。

*時間外労働の上限は、月45時間・年360時間となり、臨時的な特別の事情がなければこれを超えることはできません。
*臨時的な特別の事情があって労使が合意する場合でも、年720時間、複数月平均80時間以内(休日労働を含む)、月100時間未満(休日労働を含む)を超えることはできません。また、月45時間を超えることができるのは、年間6か月までです。

違反時の罰則と企業リスク

また、法定の時間外労働の上限を超えて時間外労働をさせたとき、使用者が法人の場合だと、1億2000万ドン以上1憶5000万下以下の罰金(政分28号17条4項•5条1項)がかされます。

以前の2019年に発行された際には月あたりの残業時間は40時間ではなく30時間でした。 これまで政府当局に対して残業時間制限の上限緩和を求める意見が多くあったことを受け、2023年にひと月あたりの残業時間の上限規制を従来の30時間から40時間へと緩和されました。しかし、旧法第106条に規定されている原則年間200時間までの残業時間上限には変更はありませんでした。なので、年間で考えたときに200時間を超えないように注意する必要があります。

ただし、法令では一部の産業や分野では1年間に300時間の残業をすることが許されています。こちらでは詳細は割愛します。(詳しくは第107条3項をご覧ください。)
ベトナムでは、近年の経済成長に伴い、特に都市部の企業では労働環境の改善が進み、リモートワークの導入やフレックスタイム制を採用する企業も増えてきています。

残業代の支払い

第98条 時間外労働,深夜労働の賃金
1.時間外労働をした労働者は,以下のように,賃金の単価又は現在の業務により実際に支払われた賃金に従って計算された賃金の支払いを受ける:
  a) 通常の日の場合,少なくとも 150%
  b) 週休日の場合,少なくとも 200%
  c) 祝日,旧正月、有給休暇の場合、少なくとも 300%
日給の労働者については祝日、旧正月、有給休暇の賃金をさらに支払う。
2.深夜に労働する労働者は,単価又は通常の勤務日の業務に従って実際に支払われた賃金の少なくとも 30%の割増賃金が支払われる。


これを見ると残業手当が日本に比べて高いレートで設定されていることが分かります。
ベトナムは労働時間の上限が日本よりも長く、週48時間労働が一般的な企業も多いです。そのため、過度な長時間労働を防ぐために、高い割増率を設定し企業に負担をかけることで、残業を抑制する狙いがあるようです。

3. ベトナムの祝日と休暇制度

有給休暇の制度

ベトナムでは、労働法第111条第1項に基づき、労働者には年間12日の有給休暇が法定で認められています。この有給休暇は、勤続5年ごとに1日ずつ加算される仕組みです。
また、重労働や危険作業など特定の職種・環境で働く労働者には、追加の有給休暇が認められることもあり、職種や勤務条件によって差異が生じる点が特徴です。
未使用の年次有給休暇は、翌年への繰り越しが可能であり、退職時には未消化分の買い取りが義務付けられています。この点は日本と共通する部分でもあり、企業・従業員の双方にとって計画的な取得が求められます。
さらに、ベトナムでは年次有給休暇の取得率が比較的高い傾向にあります。背景には、旧正月(テト)をはじめとする長期休暇を家族と過ごす文化が根付いていることが挙げられます。実際、テト休暇と有給休暇を組み合わせて10日以上の連休を取得するケースも珍しくありません。
近年では、企業側も従業員の有給取得に理解を示すようになっており、年次休暇の計画的な取得を奨励する企業も増加傾向にあります。こうした法制度の整備と文化的背景の両面から、休暇を取得しやすい環境が徐々に整いつつあると言えるでしょう。

法定祝日の一覧

第112条 祝日、旧正月
1.労働者は、以下の祝日、旧正月に有給で休むことができる
  a) 陽暦の正月:1日(陽暦の1月1日)
  b) 旧正月:5日
  c) 戦勝記念日:1日(陽暦4月30日)
  d) 国際メーデー:1 日(陽暦5月1日)
  đ) 建国記念日:2日(陽暦9月2日とその前又は後の1日)
  e) フン王記念日:1日(陰暦3月10日)


*公休日に関しては企業によって異なる可能性があります。
ベトナムの祝日は 年間11日となります。日本の祝日は、G7で最多の16日あります。
しかし、ベトナムでは旧正月(テト)などの長期休暇があり、祝日以外にも有給休暇を組み合わせて連休を取得する文化が根付いています。

ベトナムの旧正月「テト」とは


ベトナムの旧正月「テト」とは

ここで、ベトナムの旧正月(テト)についてご紹介します。

テト (Tết) とは、ベトナムにおけるお正月です。日本のように毎年1月1日がお正月というわけではなく、旧正月の日付でお正月をお祝いします。そのため、元日の1月1日だけ休みで、1月2日から仕事や学校が始まる人が多いです。

旧正月は、中国・台湾・シンガポール・韓国・ベトナム・マレーシアなど、アジア各国を中心に祝われています。なお、主に中国や台湾では、旧正月のことを春節と呼びます。中国と近い日本でも、春節という言葉を聞いたことがある人は多いのではないでしょうか。ベトナムでは、テト期間に家族で集まり伝統料理を食べ、お祝いをします。

2025年の旧暦1月1日は2025年1月29日(水)にあたるため、2025年は1月29日(水)が”テト”となります。

<2025年テト休暇スケジュール>
1月27日(月) テト休暇
1月28日(火) 大晦日
1月29日(水) お正月(テト)
1月30日(木) テト休暇
1月31日(金) テト休暇

今年は、前後に土日がある為9連休の大型連休になったようです。テト休暇は郊外出身者が地元に帰省をするため、街の移動が大変混雑します。混雑をさけるため、少し時期をずらして帰省する人も増えているようです。

日本とは異なる文化で、1年で最もベトナムの特色を感じられるシーズンの1つですよね。テトの時期には、街中にお祝いの装飾品が飾られるので、とても華やかになります。

まとめ

ベトナムの労働時間は日本よりも長い傾向にありますが、残業時間の規制は日本より厳しくなっています。また、祝日は日本より少ないものの、旧正月(テト)などの長期休暇があり、休暇の取り方には柔軟性があります。特にテト期間は、ベトナム独自の文化を色濃く反映した祝日であり、日本とは異なるお正月の過ごし方を体験することができます。

こちらのページは、下記のサイト及び資料を参考にしています。
<参考サイト>
祝祭日 | ベトナム - アジア - 国・地域別に見る - ジェトロ
労働基準に関する法制度 |厚生労働省
ベトナム労働法の現状 第2回「労働条件②」―時間外労働、有給休暇、労働契約の終了、懲戒処分

<参考資料>
ベトナム労働法2019 – JICA国際協力機構
https://www.jica.go.jp/Resource/project/vietnam/021/legal/ku57pq00001j1wzj-att/labor_law_2019.pdf
Statistics on working time2024ーILO国際労働機関
https://ilostat.ilo.org/topics/working-time/
Hours worked2022 - OECD
https://www.oecd.org/en/data/indicators/hours-worked.html
厚生労働省
https://www.mhlw.go.jp/content/000350731.pdf

ベトナムの労働環境や採用・就業ルールを詳しく知りたい方は、「ベトナム採用ガイドブック」をぜひご活用ください。
このガイドブックでは、現地の労働法、採用実務、人事制度に関する重要な情報をまとめています。ベトナム市場の理解から採用プロセスの設計、雇用契約のポイントまで、実践的な知識が得られます。

採用ガイドブックをダウンロード

 

ご相談はこちらから