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給与交渉で失敗しないための秘訣はありますか?

Q: 「給与交渉で失敗しないための秘訣はありますか?」

関本:
まずテクニックに偏った交渉を行うことはお薦めしません。なぜなら、裏を見透かされ、失敗に終わることが多いからです。
乱暴な例ですが、ベンタン市場での値段交渉を想像してみて下さい。あからさまに高い値段でふっかけてくることが多いですよね?店員さんが提示した金額があまりにも高いと購買意欲が一瞬にしてなくなってしまうかと思います。
給与交渉は価格交渉と似た部分が多いですから、同じような理屈が当てはまります。人事の方と直接給与交渉をし、高い金額を勝ち取ろうと、マーケット水準をかけ離れた高い値を提示して、逆に失敗してしまう・・・。採用担当者が設定した上限をあまりに超えるようだと、その瞬間に採用意欲がなくなってしまいます。

南子:
では、企業側の提示額をそのまま受ける他ないのでしょうか。

関本:
一方、殊勝すぎて要求を伝えないのも問題です。本当にギリギリの最低ラインを提示して、そのまま決まってしまい、採用側としてはうまく行ったと思ったとしても、逆に「生活はギリギリ出来るんだがキツイなぁ・・・・」と皆さん自身が不満を抱えて仕事をしてしまうことになります。これでは長く続きませんし、互いに不幸な結果となってしまいます。

もちろん給与交渉は仲介をしてくれる紹介会社に交渉と相談するのが一番良いのですが、もし自ら交渉をするにしても、まずは「最低限欲しい金額」と、「もらえたら嬉しい金額」の二つを作っておくことをお薦め致します。

南子:
「最低限欲しい金額」と「もらえたら嬉しい金額」の幅は、どの程度がいいのでしょうか。

関本:
大体その金額の幅は500ドル程度まででしょう。
1,000ドルも幅があると、年収換算すると10, 000ドル以上変わってきますので、採用側から「適当な人間だ」というレッテルが貼られてしまいます。
上記の二つの値を設定したら、今度は採用側の想定する給与との刷り合せです。そのとき現在のマーケットの動きが基準となるというのがポイントです。

南子:
マーケットの動きですか・・・?

関本:
まずはご自身の希望業界・職種の平均給与レベルを知り、募集条件をどれだけ皆さんが満たしているか、不足しているところはどこか、また追加でアピールできるポイントはどこか、それを知るところから始めてみましょう。

中国の諺を借りれば、「彼(採用側の意向)を知り、己(自分の市場価値)を知れば、百戦(給与交渉)して危うからず」です。最後に、日系では働く個人と会社の関係は外資系で言う契約関係というよりも人間同士の信頼関係が土台となっており、ウェットな要素が含まれるため、ドライに進めすぎないようご注意下さい。
 


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