「ベトナム 求人 未経験」と検索すると、「未経験歓迎」と書かれた求人がいくつも見つかります。
一方で、実際に応募した方からは、
- 「未経験でも応募できると思ったのに、面接では経験を細かく聞かれた」
- 「最終的には経験者が採用された」
- 「自分が想像していた“未経験歓迎”とは違った」
という声を聞くこともあります。
では、ベトナム求人の「未経験歓迎」は本当なのでしょうか。
答えは、未経験でも応募できる求人は実際にあります。ただし、これまでの経験を一切問わないという意味で使われているケースは、決して多くありません。
ベトナムで働いた経験はなくてもよい、その業界で働いた経験はなくてもよい、同じ職種は未経験でも、これまでの社会人経験を活かせればよい、といった意味で使われていることが多いためです。
私たちR-VIETNAMでは、企業の採用担当者と直接打ち合わせをしながら、求人内容や採用条件を確認しています。本記事では、日々の採用支援を通じて見えてきた「未経験歓迎」の実態についてお伝えします。
目次
まず確認したい「何が未経験なのか」
未経験歓迎の求人を見るときは、まず「何の経験がなくても応募できるのか」を確認する必要があります。
ベトナム求人で使われる「未経験」には、主に次のような違いがあります。
業界未経験
これまでとは異なる業界に転職するケースです。例えば、日本でメーカー向けの法人営業をしていた方が、ベトナムでIT企業の営業職に応募する場合です。IT業界は未経験ですが、顧客との関係づくりや提案、売上目標の管理といった営業経験は活かせます。
職種未経験
これまで経験していない職種に応募するケースです。例えば、営業職から人事職、接客職からカスタマーサポート職などへの転職が該当します。職種が変わるため、業務を一から学ぶ必要はありますが、前職で身につけた調整力やコミュニケーション力が評価されることがあります。
海外勤務・ベトナム勤務未経験
日本国内での実務経験はあるものの、海外で働くのは初めてというケースです。ベトナムの日本人向け求人では、この意味で「未経験歓迎」と書かれていることがあります。企業が求めているのは、ベトナムでの勤務経験ではなく、日本で培った職種経験や業界知識という場合です。
なぜ企業は未経験者にも応募の間口を広げるのか

企業が未経験者を募集する理由は、単純な人手不足だけではありません。実際に企業担当者と話をしていると、いくつか共通する背景があります。
求める条件をすべて満たす人が少ない
日本語力、職種経験、業界経験、ベトナムでの勤務経験。これらをすべて持つ人材は、決して多くありません。特に日本語を使うポジションでは、仕事内容の経験だけで候補者を絞ると、採用対象となる人がほとんどいなくなってしまうことがあります。
そのため企業が、
- 業界経験はなくても、営業経験があれば検討する
- ベトナム勤務は初めてでも、日本での実務経験があればよい
- 入社後に学ぶ意欲があれば、職種未経験者も対象にする
という形で条件を広げることがあります。
仕事の進め方を入社後に教えたい
新しく立ち上がった拠点や、少人数の現地法人では、過去の経験よりも、会社の方針に柔軟に合わせられる人を採用したいという声があります。
日本で長く経験を積んでいたとしても、ベトナムでは商習慣や社内の体制、スタッフとのコミュニケーション方法が異なるためです。
そのため、経験年数だけではなく以下の点が重視されます。
- 分からないことを素直に確認できるか
- 現地のやり方に合わせられるか
- 担当範囲を限定せず動けるか
- 入社後も学び続けられるか
ベトナムに生活基盤がある人やベトナムで働く意欲の高い人を採用したい
企業によっては、日本から新たに人材を配置するよりも、すでにベトナムで暮らしている日本人(現地採用)やベトナムで働く意欲の高い日本人を採用したいと考えることがあります。ベトナムでの生活に慣れていることや、長く働く意思があることが、採用上の安心材料になるためです。
ただし、ベトナム在住であることや意欲が高いことだけで、誰もが有利になるわけではありません。仕事内容に活かせる経験や、働く目的がきちんと説明できることに加え、在住していることと就労に必要な法的条件を満たしていることは別である点にも注意が必要です。
未経験者が採用されやすい求人の特徴

未経験者が採用されやすいのは、入社後に業務を覚えることを企業側が想定している求人です。
求人票に「未経験歓迎」と書かれているかどうかだけでなく、次の点を確認すると、受け入れ体制が見えやすくなります。
- 入社後に業務を教える担当者がいる
- OJTの期間や流れが決まっている
- 同じ仕事をしている社員がすでにいる
- 最初から高い売上や成果を求められない
- 過去に未経験者を採用した実績がある
- 業務マニュアルや引き継ぎ資料がある
「研修あり」とだけ書かれていても、実際には数日間の説明だけで、その後は一人で業務を任される求人もあります。
反対に、研修制度として文書化されていなくても、上司や先輩が日常的に仕事を教えてくれる会社もあります。
そのため、制度の有無だけでなく、「入社後に誰が、どこまで教えてくれるのか」を確認することが重要です。
別の経験が評価される求人も多い
未経験歓迎求人の中には、完全な育成採用ではなく、これまでの別の経験を評価するものもあります。
例えば、次のようなケースです。
| 応募する求人 | 評価されやすい経験 |
| 法人営業 | 接客、販売、顧客対応、目標管理 |
| カスタマーサポート | 電話対応、メール対応、クレーム対応 |
| 人材紹介 | 営業、接客、面談、社内外の調整 |
| 工場の管理 | 製造現場、品質管理、改善活動 |
例えば、営業職未経験であっても、販売職で店舗目標を追っていた経験や、お客様への提案経験があれば、営業職に近い経験として評価されることがあります。
大切なのは、「未経験だから何もアピールできない」と考えないことです。これまでの仕事の中で、応募先でも活かせる経験を整理して伝える必要があります。
語学力・年齢について気になること
未経験でベトナム転職を検討する際、特に多くいただくのが「語学力」や「年齢」に関するご質問です。実際の採用現場でどのように評価されているのか解説します。
未経験でも語学力は必要?
日本語のみで応募できる求人もありますが、社内コミュニケーションや顧客対応のために英語またはベトナム語を求められる求人もあります。語学力が不足していても応募できるかどうかは、業務内容や社内体制によって異なるため、求人ごとの確認が必要です。
年齢によって不利になる?
年齢だけで採否が決まるわけではありませんが、未経験の職種へ挑戦する場合、企業が期待する給与水準や役職、育成にかけられる期間とのバランスが選考のポイントになります。年齢を理由に一律で不利になるとは限らないため、気になる場合は個別に確認することをおすすめします。
「未経験歓迎」でも採用されにくいケース

未経験歓迎求人であっても、応募すれば誰でも採用されるわけではありません。実際の選考では、次のような場合に見送りとなることがあります。
海外で暮らしたいことだけが志望理由になっている
海外生活への関心は、ベトナム転職を考えるきっかけとしては自然です。ただし、企業が知りたいのは、「なぜこの仕事なのか」「入社後にどのように貢献できるのか」という点です。
「ベトナムが好きだから」「海外で生活してみたいから」だけでは、採用理由としては弱くなります。
活かせる経験を説明できない
業界や職種が未経験でも、これまでの経験との共通点を説明できれば評価される可能性があります。
一方で、「未経験なので教えてほしい」という姿勢だけでは、企業側に採用後の活躍をイメージしてもらえません。
希望給与が経験者と同じ水準になっている
未経験者を採用する場合、企業は教育に時間やコストがかかることを想定します。そのため、同じ職種の経験者と同水準の給与を希望すると、企業が採用をためらうことがあります。
ただし、別の職種での経験やマネジメント経験、語学力などが高く評価される場合は、必ずしも大幅に給与が下がるとは限りません。
給与相場については「ベトナムで働くといくら稼げる?職種・役職別の年収相場【2026年最新版】」をご参考ください。
就労に必要な条件を満たしていない
外国人がベトナムで働く場合、原則として労働許可証(ワークパーミット)の取得、または免除に関する手続きが必要です。職種や雇用形態によっては、学歴、職歴、資格などが審査対象となるため、本人の意欲や企業の採用意思だけでは就労できない場合があります。
ワークパーミットの取得条件や方法については、以下の記事で詳しく解説しています。
【2026年】ベトナムで働くために必要なビザ・ワークパーミットの手続きまとめ
採用現場で実際によくあるケース
ここからは、企業や個人が特定されないよう内容を一部変更したうえで、採用現場でよくある例をご紹介します。
業界経験がなくても営業経験が評価された例
日本で法人営業をしていたAさんは、ベトナムで初めて製造業向けの営業職に応募しました。扱う製品についての知識はありませんでしたが、既存顧客との関係づくりや、新しい顧客への提案経験がありました。
面接では、製品を知らないことを無理に取り繕わず、「入社前に何を勉強するか」「分からないことをどのように確認するか」を具体的に説明しました。
企業からは、製品知識よりも営業の基本と学ぶ姿勢が評価され、採用となりました。
接客経験を営業に結びつけられなかった例
Bさんは接客業の経験があり、未経験歓迎の営業職に応募しました。人と話すことには慣れていましたが、面接で「売上目標を意識して行動した経験」や「お客様へ自分から提案した経験」をうまく説明できませんでした。
企業は接客経験そのものを否定したわけではありませんが、営業としてどのように活躍できるのかを判断できず、見送りとなりました。
接客経験でも、単に「人と話すのが得意」などと伝えるだけでなく、売上への貢献や提案の工夫まで説明できれば、評価が変わった可能性があります。
面接で評価されるポイントについては、以下の記事も参考にしてください。
【2026年版】ベトナム就職の面接でよく聞かれる質問15選|回答例つき
応募前に聞いておきたいこと
気になる求人が見つかったら、応募前または選考中に次の点を確認してみましょう。
- 「未経験可」とは、業界未経験と職種未経験のどちらですか
- 過去に未経験者を採用したことはありますか
- 入社後は誰が仕事を教えてくれますか
- 入社後3か月で達成するべきことは何ですか
- 未経験者を選考するとき、特に重視する点は何ですか
求人票だけでは、企業がどの程度まで未経験者を受け入れるのか判断しにくいことがあります。
特に、企業が想定している「未経験」と、自分が考えている「未経験」にずれがないかを確認してください。
よくある質問
未経験歓迎に関してよくいただく質問をまとめました。
ベトナム求人の「未経験歓迎」は、社会人経験がなくても応募できますか?
求人によりますが、一定の社会人経験や関連スキルを求める求人が多いです。
英語やベトナム語ができなくても応募できますか?
日本語だけで応募できる求人もあります。ただし、社内や顧客とのやり取りで外国語が必要な求人もあるため、求人ごとの確認が必要です。
未経験の場合、給与は下がりますか?
職種経験、業界経験、語学力、マネジメント経験などによって異なります。業界未経験でも、職種経験が十分であれば、必ずしも大幅に下がるとは限りません。
ワークパーミットは誰でも取得できますか?
誰でも自動的に取得できるものではありません。職種、学歴、職歴、資格、雇用形態などに応じて審査されます。免除対象となる場合も含め、企業や専門家への事前確認が必要です。
まとめ
ベトナム求人の「未経験歓迎」は、嘘ではありません。
ただし、多くの場合は「何の経験も必要ない」という意味ではなく、業界経験やベトナム勤務経験がなくても、これまでの社会人経験を活かせれば応募できる、という意味で使われています。
未経験求人を見るときは、次の点を確認することが大切です。
- 何の経験が不要なのか
- 代わりにどのような経験や能力が求められるのか
- 入社後に仕事を教えてもらえる体制があるか
- 給与や役職が経験に見合っているか
- ベトナムで働くために必要な条件を満たしているか
R-VIETNAMでは、企業担当者との打ち合わせを通じて、仕事内容だけでなく、採用背景や未経験者の受け入れ方針についても確認しています。
なお、未経験者歓迎求人であっても採用状況や他の応募者によって、企業の選考基準が変わる場合もあります。応募時点での状況については、担当者からできる限り具体的にお伝えします。
現在、未経験歓迎の求人をまとめて確認できるページをご用意していますので以下よりご確認ください。
▶ 未経験歓迎の求人一覧
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