2026.06.19

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生成AI(ChatGPT等)の社内利用ルール、ベトナム法人で整備すべきポイント【2026年最新】

ChatGPTをはじめとする生成AIは、メール文の下書きや資料作成、議事録の要約など、ベトナム法人の現場でも日常的に使われるようになりました。便利さの一方で、「誰がどこまで使ってよいか」が曖昧なまま広がっている企業も少なくありません。

ベトナムでもAI関連の法整備が進んでおり、生成AIの使い方は単なる社内マナーの問題ではなく、企業として一度ルールを整理しておくべき経営課題になっています。
本記事では、ベトナムに法人を持つ日系企業が生成AIの社内利用ルールを整備する際に押さえておきたい実務上のポイントを解説します。

なぜ今、ベトナム法人に生成AI利用ルールが必要なのか

現場主導で生成AIの利用が広がると、次のようなリスクが発生します。

– 顧客情報や従業員の個人情報、契約書の内容などをAIに入力してしまう情報漏洩リスク
– AIが生成した誤情報(ハルシネーション)を確認せずに社外文書へ使用してしまうリスク
– 著作権・商標など第三者の権利を侵害するコンテンツを生成・利用してしまうリスク

これらは特定の法律があるかどうかに関わらず、企業として管理すべきリスクです。加えて、ベトナムでも2026年にAI関連の新たな法整備が行われ、個人情報の取り扱いに関する規制も既に存在しています。社内ルールを「あれば望ましいもの」から「整備しておくべきもの」へ位置づけ直すタイミングといえます。
AI使用のリスク

背景|ベトナムでもAI・データに関する法整備が進んでいます

2025年12月、ベトナム国会でAI関連法が採択され、2026年3月1日に施行されました。ベトナムは、東南アジアでも早い段階で単独のAI法を導入した国の一つとされています。

また、個人情報の取り扱いについては、Decree 13/2023をはじめとする個人情報保護関連の法令・規制が整備されています。2026年時点では個人情報保護法や関連政令の動きもあり、生成AIに従業員や顧客の情報を入力する行為は、こうした個人情報保護ルールと関わってくる可能性があります。

これらの法令がどこまで自社の生成AI利用に適用されるか、リスク区分や条文の解釈は専門領域です。当社は法律専門の事業者ではなく、法令解釈や法的助言を行う立場にはないため、本記事では概要の紹介にとどめます。具体的な法令対応の要否については、ベトナムの弁護士やコンプライアンス専門家への確認をおすすめします。

社内ルールに落とし込むべき7つのポイント

法令の細部にかかわらず、実務として整えておきたい項目を整理しました。

1. 利用可能なツールの明確化

会社が使用を許可する生成AIツール(ChatGPT Enterprise、Microsoft Copilot等の法人向けプランなど)と、使用を禁止するツールを明確にします。無料版や個人アカウントは、入力した内容がAIの学習に使われてしまう場合があります。また、誰がいつどのように使ったかを会社側で把握しづらく、社員が退職した際にアカウントを回収・管理できないという問題もあります。そのため、データ保護や管理機能が整った法人向けプランの利用を基本とします。

2. AIへの入力禁止情報の定義

個人情報、顧客情報、未公開の財務情報、契約書原文、ソースコードなど、入力してはならない情報の種類を具体的にリスト化します。

3. AI生成コンテンツの開示の検討

ブログ記事や広告などの素材、画像・音声・動画をAIを使って作った場合は、「AIを使って作成しました」と分かるように示しておくことを検討しましょう。何も伝えずに公開すると、後から「AIが作ったものだったのか」と知った読者や取引先が、不信感を持ってしまう可能性があります。あらかじめ開示しておくことで、そうした信頼の低下を防ぎやすくなります。

4. 人による最終確認(Human Oversight)の徹底

AIの出力をそのまま採用せず、事実確認や文脈の妥当性を人が確認するプロセスを必須化します。

5. 個人情報・機密情報の取り扱い確認

利用するAIベンダーのデータ保存先・利用規約を確認し、個人情報を扱う場合は社内の情報管理ルールに沿っているかを点検します。

6. インシデント対応フローの整備

誤情報の社外流出や情報漏洩が発生した場合の報告ルート(現場→管理部門→必要に応じて専門家へ相談)をあらかじめ定めます。

7. 従業員教育とログ管理

定期的な研修の実施と、利用記録(ログ)の保存により、後から経緯を説明できる体制を整えます。

チェックリスト

規程整備の進め方(実務ステップ)

社内規程は、以下のようなステップで整備していくのが現実的です。

1. 現状把握:現場でどのツールがどの業務に使われているか、まず棚卸しします。
2. リスクの洗い出し:上記7項目を参考に、自社にとってリスクが大きい利用シーンを整理します。
3. 規程ドラフト作成:社内規程・ガイドラインの草案を作成し、必要に応じて現地の弁護士やコンプライアンス専門家にレビューを依頼します。
4. 周知・トレーニング:全従業員向けの説明会を実施し、規程の意図とリスクを共有します。
5. 継続的な見直し:法令や運用状況の変化に応じて、規程を定期的に更新します。

まとめ

ハイタッチをしているビジネスマン

生成AIの社内利用ルール整備は、単なる手間ではありません。情報管理がしっかりした企業であることは、現地スタッフや採用候補者にとっても安心材料になり、採用ブランディングの観点でもプラスに働きます。


・本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、法的助言ではありません。当社は法律を専門とする事業者ではないため、AI関連法・個人情報保護法の具体的な適用や条文の解釈については言及していません。実際の対応にあたっては、ベトナムの弁護士・コンプライアンス専門家にご確認ください。
・本記事の作成には生成AIツールを活用していますが、内容については当社担当者が情報源を確認したうえで編集・監修しています。

さらに詳しく知りたい方へ(外部記事)
Formalizing Artificial Intelligence Governance: Vietnam’s First AI Law|Vietnam Briefing
Vietnam AI Law Explained|OneTrust
Vietnam unveils AI law regulating ChatGPT-like tools|Nikkei Asia

※ 上記は法令の詳細を解説する third-partyメディア・専門機関の記事です。当社の見解ではなく、外部情報源として参考にご活用ください。