2026.06.17

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ベトナムの物価は本当に安い?日本と比べたリアルな生活コストを解説【2026年版】

ベトナムへの移住や就職を考えたとき、気になるのがお金のことではないでしょうか。

「安いとは聞くけど、実際どのくらいかかるの?」
「日本と同じ感覚で生活できる?」
そんな疑問を持つ方は多いと思います。

答えは、一概に「安い」とは言えません。確かに日本より負担が少ない出費もあります。一方で、意外とコストがかかるものも存在します。
この記事では、実際にベトナムで生活してわかった物価のリアルを、日本との比較も交えながらお伝えします。

ベトナムの物価は日本と比べてどのくらい違う?

「ベトナムは物価が安い」という話をよく耳にします。ただ、その「安さ」には前提条件があります。何を基準にした価格なのか、どんな生活を想定しているのかによって、体感コストは大きく変わります。ローカルの食堂や交通費は確かに日本より安いですが、外国人向けの住居や医療、日本食といった項目になると、話は変わってきます。「安い」という一言でまとめるには、実態がやや複雑です。ここでは日本との比較を軸に、価格水準の実態をひとつひとつ整理していきます。

日本と比べたおおよその物価水準

ベトナム全体の物価水準は、日本の3分の1〜2分の1程度といわれています。ただし、これはあくまで平均的なローカル価格の話です。日本人が快適に生活するための環境を整えようとすると、この数字とはこの数字とは多少のズレが出てくることがあります。たとえば、ローカル食堂でのランチは、1食約240〜480円程度で食べられます。一方、日本食レストランや外国人向けのカフェでは、1食800〜1,500円以上かかることも珍しくありません。「ベトナムは安い」という印象は、こうしたローカル価格を基準にした話であることがほとんどです。

生活スタイルによって体感コストは大きく変わる

ベトナムの物価を語るうえで見落とされがちなのが、「誰向けの生活か」という前提です。ベトナムで生まれ育ったローカルの方と、日本から移住した30代の社会人では、求める生活の質がまったく異なります。

ローカルの方は、家族経営の食堂で食事し、バイクで移動し、家賃の安いエリアに住む生活が一般的です。一方、日本人が「安心して暮らせる」環境を求めると、日本語対応の医療機関、外国人向けの安全なアパート、ある程度衛生管理された食事環境が必要になってきます。
こうした生活基盤を整えると、3分の1の物価という感覚は薄れてくる部分もあります。

日本にいる感覚のまま生活すると、出費はどうなるか

日本での生活水準をそのままベトナムで再現しようとした場合、実際の生活費は月15〜25万円程度になるといわれています。日本の都市部(東京・大阪など)の生活費と比較すると、たしかに2〜3割程度は安くなる場合もあります。しかし、「半額以下で同じ生活ができる」というイメージとは少し乖離があります。

特に家賃・医療・日本食という3つの出費が積み重なると、「意外とかかるな」という実感になる方が多いです。

ここ数年でどう変わった?ベトナムの物価推移

ベトナムドン

ベトナムの物価は、以前と比べて確実に変化しています。「数年前の情報」と「今の実態」がズレているケースも多く、古い体験談やブログ記事をそのまま参考にすると、実際の生活費とギャップが生じることがあります。特に家賃や外食費は、経済成長と都市化の影響を受けて上昇が続いており、「昔は安かった」という感覚がそのまま通用しない場面も増えています。移住・就職を考えるなら、過去の情報だけでなく、現在の動向を把握した上で判断するのが適切です。

価格は徐々に上昇している

2020年以降、ベトナムの物価は緩やかに上昇しています。特に2022〜2024年にかけては、外食費・家賃・電気代などが目に見えて値上がりしたという声が多く、2026年時点でもこの上昇傾向は続いています。
参考:第1四半期のCPI上昇率は前年同期比3.51%、3月単月は4.65%(ベトナム、中東) -ビジネス短信-ジェトロの海外ニュース|ジェトロ

具体的な例を挙げると、ホーチミンの外国人向けアパート(1LDK程度)の家賃は、5年前と比較して数万円ほど高くなっているケースが多く見られます。また、輸入食材を扱うスーパーの価格も、ドル高・インフレの影響を受けて上昇しています。

物価が変化している背景

ベトナムは近年、年率6〜8%前後のGDP成長を続けており、アジアの中でも高い経済成長率を誇っています。都市への人口集中が進み、特にホーチミンやハノイでは不動産・サービス価格が上昇しやすい構造になっています。

参考:
第1四半期のGDP成長率は前年同期比7.83%、今後は中東情勢の悪化で不透明感も (ベトナム) -ビジネス短信-ジェトロの海外ニュース|ジェトロ
2025年のGDP成長率は8.02%、1人当たりGDPは5,000ドル突破(ベトナム)-ビジネス短信-ジェトロの海外ニュース|ジェトロ

また、外資系企業の進出や、日本・韓国などからの移住者・駐在員の増加により、外国人向けサービスや消費財の需要が高まっています。こうした需要を背景に、外国人がよく利用するエリアの物価は、他のエリアよりも速いペースで上がっています。

これからベトナムで生活を考える上での見方

物価が上昇しているということは、裏を返せば国全体の生活水準が上がっているということでもあります。インフラの整備が進み、医療・教育・商業施設の質も年々向上しており、生活環境としての魅力は増しています。
物価上昇が続いているとはいえ、日本と比べれば依然として生活コストを抑えられる場面は多く、これは当面変わりにくい構造的な差です。長期的な移住・就職を考えるなら、コストが変化し続けている国として捉えながら、今の自分の生活にどう活かせるかを考えるのが現実的な視点です。

ベトナムでコストを抑えやすいものは?

cheap

生活の中でうまく活用できれば、日本より明らかに負担が少ない項目もあります。「ベトナムの物価は全体的に安い」という話が広まった背景には、こうした安く済む項目の存在があります。ただし、それらを最大限に活かせるかどうかは、生活スタイルや個人の感覚によって変わります。「何が安くて、何がそうでないか」を事前に把握しておくことが、現実的な生活設計の出発点になります。

ローカル寄りの食事ならコストは抑えやすい

ベトナムで生活費を抑えやすい代表格は食費です。ローカルの食堂やフォー屋では、240〜480円程度のランチが日常的に食べられます。バインミー(ベトナム式バゲットサンド)なら200円程度で買えることもあり、食事だけで見れば確かに安いという実感は得やすいです。
ただし、毎日ローカル食で完結できるかどうかは人によります。衛生面が気になる方、日本食・洋食を求める方は、自然と出費が増えていくことになります。週に数回はローカル食を活用しつつ、普段はスーパーで食材を買って自炊するというスタイルが、コストと快適さのバランスとして現実的です。

交通費は日本より負担が少ない

ベトナムの市内交通費は、日本と比べて明らかに安いカテゴリの一つです。市内を走るバスは1回20〜30円程度、配車アプリ「Grab(グラブ)」のバイクタクシーなら短距離で100円前後から利用できます。
日本のように毎月数万円の定期代がかかるということはなく、移動コストは1ヶ月で2,000〜5,000円程度に収まるケースが多いです。ただし、バイクや車を所有・レンタルする場合は維持費・燃料費がかかります。また、エリアによっては公共交通が未発達なため、グラブへの依存度が高くなる場面もあります。

日用品・生活雑貨はローカルのものであれば安く手に入る

シャンプー・洗剤・食器などの日用品は、現地ブランドを選べばかなり安く揃えられます。コンビニ(Circle K、GS25など)も多く、日本のコンビニと似た感覚で買い物ができますが、価格は日本より少し安い程度です。一方、日本製・輸入品にこだわると割高になるため、現地品をうまく取り入れることがコスト管理のポイントになります。

意外と費用がかかるのは?

物価上昇しているイメージ

「安い国」というイメージとは裏腹に、日本人の生活スタイルに合わせようとすると、想定外の出費が発生しやすい項目があります。特に住居・医療・食事の3つは、選択肢や使い方によってコストが大きく変わる領域です。「安いと思っていたのに、気づいたら出費がかさんでいた」という声は、ベトナム在住の日本人からも少なくありません。事前にどこでコストがかかりやすいかを把握しておくことで、生活費の見通しが立てやすくなります。

日本人・外国人向け物件の家賃は思ったより高い

「ベトナムは家賃が安い」というイメージを持っている方は多いですが、これはローカル価格の話です。日本人が安心して住める物件はある程度の立地やセキュリティが求められます。このような外国人向けのサービス付きアパートやコンドミニアムとなると、家賃は一気に上がります。
ホーチミン市内の外国人向け1LDK(1ベッドルーム)の相場は、月5〜10万円程度が一般的です。立地・築年数・設備によってはそれ以上になるケースもあります。東京近郊のアパートと大差ない場合もあり、思ったより安くないという印象を持つ方が多いです。

医療費は思わぬ出費になることも

ベトナムには現地の安価な医療機関もありますが、言語の壁や衛生面への不安から、日本人の多くは外国人向けのインターナショナルクリニックを利用します。こうした医療機関での診察料は、1回の初診料が5,000〜15,000円程度かかることもあり、日本の保険適用後の自己負担額と比べると高く感じられます。

海外就職や海外赴任の場合は、会社負担で民間医療保険に加入できるケースも多くあります。実際に、弊社で取り扱う求人の多くでも海外傷害保険や民間医療保険が整備されています。 一方で、保険の補償内容や適用範囲は加入する保険によって異なるため、企業に確認しておくことが重要です。
万が一の通院や入院に備え、医療環境や保険制度について事前に把握しておくと安心でしょう。

日本食・日本製品は手に入るが割高になりやすい

ベトナム、特にホーチミンには日本人が多く住むエリア(1区や3区など)があり、日本食スーパーや日本食レストランが充実しています。
日本のものが手に入らなくて困ることは少ないですが、価格は日本より割高になるケースがほとんどです。
たとえば、日本食スーパーで売られている醤油や納豆、冷凍食品などは、日本での価格の1.5〜2倍程度が相場です。日本食レストランのランチも1,000〜2,000円程度かかり、「日本と変わらない」「少し高いな」という体感になります。
日本食への依存度が高い方は、食費全体が想定より高くなりやすいと認識しておきましょう。

ホーチミン・ハノイで物価は違う?主要都市の価格帯

ホーチミン市とハノイ市

ベトナム二大都市であるハノイとホーチミン。生活費の差はよく話題に上りますが、ベトナム統計局が発表した2025年の空間生計費指数(SCOLI)によると、全国で最も物価が高い都市はハノイであることが示されています。一方のホーチミン市は、ハノイ、クアンニン、ハイフォンに次ぐ順位になっています。地域別で見ても、ハノイを含む紅河デルタ地域が全国トップ(100%)であり、ホーチミンを含む東南部は第2位(98.88%)です。しかし、全国で最も物価が高い地域と低い地域の差はわずか4.89ポイントに過ぎず、地域間の生活費の差はそれほど大きくありません。

実際の生活においてはどうでしょうか。大都市では急速な都市化と高い消費需要が物価を押し上げているものの、現在は物流網やEコマースが大きく発展しています。これにより市場の透明性が高まり、地域間の価格差は縮小傾向にあるため、ハノイでもホーチミンでも、日用品をオンラインで購入するなどの工夫次第で、実際の生活コストに劇的な違いを感じる場面は少なくなってきていると言えそうです。

出典:ベトナム財務省系専門メディア「Tạp chí Kinh tế – Tài chính」掲載のベトナム統計局(Cục Thống kê)2025年地域別生活費指数(SCOLI)

都市による違いはどこに出るか

前述したとおり、ベトナム統計局が公表した2025年の地域別生活費指数(SCOLI)では、ハノイが全国で最も生活費の高い都市とされています。一方で、ホーチミンとの価格差は大きくなく、実際の生活コストは個人のライフスタイルによって大きく変わります。

まず食費です。ホーチミンには外国人向けのカフェやレストランが多く、日本人でも利用しやすい店舗が充実しています。そのため外食の選択肢が広く、利用頻度によっては支出が増えやすい傾向があります。一方、ハノイも近年は外国人向け店舗が増えていますが、エリアによってはローカル店を利用する機会が多くなることもあります。

次に日本食や日本製品の入手環境です。ホーチミンには日本食スーパーや日本食レストランが数多く集まっており、日本と近い食生活を維持しやすい環境があります。ハノイにも日系店舗はありますが、ホーチミンほど選択肢は多くありません。

このように、統計上の物価水準と実際に感じる生活コストは必ずしも一致しません。どちらが安いかを単純に比較するよりも、自分がどのような生活スタイルを送りたいのかという視点で考えることが重要です。日本食や利便性を重視する人はホーチミンでの支出が増えやすく、ローカルな生活を中心にする人は都市間の差をあまり感じない場合もあります。

現地の日本人は実際どんな生活をしている?

実際にベトナムで働く日本人単身者の平均的な生活スタイルを見ていきます。仕事をしながら一定の生活水準を保つ場合、どのような生活スタイルが現実的なのかを整理します。

ローカル生活と日本人の生活は前提が違う

ベトナムの物価情報を調べると、「月5万円で生活できる」「家賃が安くてびっくり」といった体験談が出てくることがあります。こうした情報の多くは、ローカルに近い生活をしている方や、語学留学・バックパッカー的な暮らしをしている方のものです。

仕事をしながら、ある程度の快適さを保って生活する日本人の場合、このような超低コスト生活はあまり現実的ではありません。職場環境・健康・安全を維持しながら生活するためのコストは、観光や節約旅行とは別物と考えておくのが適切です。

実際に多い日本人の生活スタイル

ホーチミン・ハノイで生活している日本人の多くは、次のようなスタイルをとっています。
・外国人向けサービスアパート(家賃5〜9万円程度)
・平日昼食はローカル食堂・社食、夜は自炊or外食を組み合わせる
・週末は日本食レストランや外資系カフェを利用することも多い
・URLグラブ(配車アプリ)を主な移動手段として利用
・インターナショナルクリニック+民間医療保険で医療に対応

このような生活をした場合、月々の生活費は家賃込みで15〜25万円程度になることが多いです。日本(東京)の生活費と比較すると一定の節約にはなりますが、劇的に安いとは言いにくい水準です。

一方で、エンターテインメントや週末の旅行(ベトナム国内・近隣アジア)は日本より安く楽しめるため、生活の満足度が高いと感じる方も多くいます。

まとめ|ベトナムの物価は”どう生活するか”で感じ方が変わる

この記事で解説してきた内容を整理すると、ベトナムの物価の実態は次のようにまとめられます。

項目 コスト感
ローカル食堂・交通費 ◎安い(日本の3〜5分の1)
外国人向け住居 △意外と高い(日本地方都市並み)
日本食・輸入品 △日本と同等〜やや高い
医療費(外国人向け) △日本の保険なしと同等以上
日用品(現地品) ○安い
娯楽・旅行 ○日本より安く楽しめる

「ベトナムは安い」という表現は間違いではありません。ただし、何もかもが安いわけではなく、安いカテゴリと、そうでないカテゴリに分かれています

日本人がベトナムで生活する場合、ローカル寄りの生活を取り入れながら、快適さも維持するバランスが鍵です。そのためには、自分がどんな生活を求めるかを事前に整理しておくことが、生活設計の第一歩になります。

「思ったより現実的に生活できそう」と感じた方は、次のステップとして具体的な生活費のシミュレーションや、実際にベトナムで働く方の体験談を参考にしてみましょう。より具体的なイメージが固まれば、判断もしやすくなります。

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