2026.03.09

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「営業経験あるのに落ちる…」20代のベトナム転職で求められる”+α”とは?

「営業経験はあるのに、なぜか選考が通らない」

最近、ベトナム転職を検討する20代の方から、こうした悩みを聞くことが増えています。確かに5年前なら、若手営業というだけで採用のチャンスは十分ありました。しかし今、同じ考えで応募すると、書類選考すら通らないケースが増えているのです。
実は、多くの企業が「営業経験」だけでなく「営業+α」を求めるようになっています。なぜこの変化が起きたのか。そして、企業が本当に見ている”+α”とは何なのか
本記事では、ベトナム転職市場の現実と、20代営業が今から準備すべきことを、企業目線も交えながらわかりやすく解説します。

なぜベトナム転職では「営業経験だけ」では通用しないのか?

ベトナム転職市場は、この5年で大きく変化しました。かつては「若手」「営業経験あり」というだけで歓迎されましたが、今は状況が異なります。
では、何が変わったのでしょうか。企業側の視点から、4つの理由を解説します。

市場が成熟し、企業が求めるレベルが上がった

ベトナムに早期進出した企業の多くは、創業期から成長期、そして組織体制の整備フェーズへと移行しつつあります。こうした企業では、5年前は「とにかく人が欲しい」という段階でしたが、今は組織の質を高めることに注力しています。
つまり、企業側の期待値が上がったのです。「若いから」「やる気があるから」という理由だけでは、採用しにくくなっています。営業としての基礎スキルだけでなく、数値管理や戦略的思考ができる人材を求める企業が増えました。

応募者が増えて競争が激化

海外就職全体への関心が高まり、ベトナムへの応募者数も増加しています。特に近年、メディアでのワーキングホリデー特集や海外キャリアの情報発信が増えたことで、「海外で働く」ことへの心理的ハードルが下がりました。加えて、ベトナムでは日本と同程度の給与が得られるケースもあり、生活コストの安さも相まって、海外転職の選択肢として興味を持つ人が増えています。
結果、企業は多くの候補者から選べるようになりました。以前なら通っていたレベルの応募書類が、今は埋もれてしまうのです。

給与が上がり「即戦力化」の期待が強くなった

ベトナムの日系企業における日本人の給与水準は、この数年で上昇しています。月給20万円台後半〜30万円台が標準的になり、企業側のコスト負担も増えました。
その分、「研修期間を経て育てる」より「早期に成果を出してほしい」という期待が強まっています。

選別が進み、具体性が求められるようになった

応募者が増える一方で、企業の選考基準が厳しくなっています。
5年前なら「海外で頑張りたい」という熱意と若さで、ポテンシャル重視の採用をしていた企業も、今は「入社後すぐに成果を出せるか」を重視するようになりました。「何ができるか」「どう貢献できるか」という具体性が求められています。
この変化に気づかず、準備不足のまま応募すると、想定外の結果になることが増えています。企業側も、限られた採用枠の中で「本当に活躍できる人材」を見極める必要があるため、選考の目がシビアになっているのです。

では、こうした厳しい市場で選ばれるには、何が必要なのでしょうか。

企業が求める“+α”とは?

こうした環境変化の中で、企業が本当に求めているのは「営業経験+α」です。では、その”α”とは何か。面接で実際に評価される4つの要素を解説します。
どれか1つでも準備できていれば、あなたの武器になります。

①自走力・ロジカルさ

ベトナムの日系企業は、本社に比べて小規模な組織がほとんどです。上司が常に隣にいるわけではなく、自分で考えて動く力が求められます。
「指示待ち」ではなく、「課題を見つけて、仮説を立てて、試して、改善する」というサイクルを回せるか。この自走力が、面接で最も評価されるポイントの一つです。

②業界理解・専門性

IT、製造業、無形サービスなど、ある程度の業界知識や専門性があると強いです。
「何でも売れます」という姿勢は一見柔軟に見えますが、企業からすると「専門性がない」と映ることもあります。特定の業界で実績があり、その知見をベトナムでも活かせるという文脈があると、採用側も安心して任せられます。

③数値管理・構造化の力

KPI設計、パイプライン管理、CRM活用といった、営業プロセスを数値化・可視化する力が求められています。
5年前は「とにかく足で稼ぐ」営業スタイルでも評価されましたが、今は「営業の質」が問われる時代です。特にベトナムでは少数精鋭の組織が多く、一人ひとりが戦略的に動く必要があります。
「受注数〇件」だけでなく、「どのプロセスを改善して達成したか」「どんな指標を追っていたか」を説明できると、評価が大きく変わります。

④語学 (英語 or ベトナム語)の基礎

流暢である必要はありません。しかし、「最低限のコミュニケーション力」や「学ぶ姿勢」は必須です。
ベトナムでは、日本人営業でも現地スタッフや取引先と英語でやり取りする場面があります。また、ベトナム語ができると、現地スタッフとの距離が一気に縮まり、業務効率も上がります。
企業が最も評価するのは「今のレベル」です。ただし、レベルが十分でない場合でも、「継続して学ぶ姿勢」があれば評価されることがあります。オンライン英会話を3ヶ月続けている、ベトナム語の基礎を独学しているといった事実があれば、十分アピールになります。

選考を通過する人は、”+α”をどう伝えているか?

必要なスキルが分かっても、それを面接や書類選考で「どう伝えるか」が重要です。実際に選考を通過している20代営業は、自分の強みを効果的に伝える共通のパターンを持っています。ここでは、企業が「この人なら任せられる」と感じる4つの伝え方を紹介します。

① 実績を「ストーリー」で語っている

× 弱い例: 「年間売上3000万円を達成しました」
◯ 強い例: 「前年比で成約率が15%と低かったため、商談前のヒアリングシートを見直し、顧客の課題を深く理解できる設計に変更しました。結果、商談の質が上がり、成約率が22%に向上。年間売上3000万円を達成しました」

企業が知りたいのは、数字そのものではなく、あなたの考え方とプロセスです。「課題→施策→結果」というストーリーで語ることで、再現性が伝わります。
面接では、「なぜその施策を選んだのか」「他にどんな選択肢があったか」まで説明できると、さらに評価が高まります。

② 志望動機に「企業研究」が入っている

× 弱い例:「海外で営業経験を積みたいと思い、応募しました」
◯ 強い例:「御社は製造業向けのSaaS導入支援をされていますが、私は前職で製造業の顧客を200社担当し、現場の課題感を理解しています。特に、生産管理の属人化という課題に対し、御社のプロダクトは解決策として最適だと感じました。この経験を活かし、ベトナムでも日系製造業の課題解決に貢献したいです」

 

企業のHPや最近のニュース、サービス内容を読み込んでいることが伝わる志望動機は、面接官の反応を大きく変えます。
単に「海外で成長したい」という気持ちを伝えるだけでなく、企業の事業内容に具体的に触れたうえで、自分の経験がどのように活かせるのかまで言語化できているかどうかが重要です。
志望動機は「自分が何を得たいか」ではなく、「その会社にどう貢献できるか」という視点になっているかどうかで、説得力が大きく変わります。

③ 語学は「学習中」でも、具体的な証拠を示している

× 弱い例: 「英語は勉強中です」
◯ 強い例: 「現在、オンライン英会話を週3回、3ヶ月継続しています。日常会話レベルを目指しており、ビジネス英語の基礎も学んでいます」

 

企業が最も評価するのは現在の語学レベルですが、それと同じくらい「どの程度本気で取り組んでいるか」も見られています。
「勉強中です」という一言だけでは漠然としていますが、いつから始めたのか、どのくらいの頻度で取り組んでいるのか、どのような方法で学んでいるのかまで具体的に伝えられると、本気度や継続力が伝わります。
レベルが完璧でなくても、準備を積み重ねている姿勢は十分に評価対象になります。

④ 面接で「質問」をしている

選考を通過する人は、一方的に話すだけでなく、企業のことを深く知ろうとする姿勢を見せています。

質問例:
「現地スタッフとのコミュニケーションで、工夫されていることはありますか?」
「営業チームの目標設定は、どのように行われていますか?」
「入社後、最初の3ヶ月で期待される成果は何でしょうか?」

 

質問をすること自体が、「本気で入社を検討している」「この会社で活躍したいと考えている」というメッセージになります。また、企業側の回答から、自分に合う環境かどうかを見極める材料にもなります。
大切なのは、調べれば分かることを聞くのではなく、「御社で活躍するために知りたい」という前向きな文脈で質問すること。そして事前に複数の質問を準備しておくことです。

ここまで、企業が求める+αと、それを選考でどう伝えるかを解説してきました。
では、実際にベトナム転職を進める際、どんな順序で準備し、どう動いていけばいいのでしょうか。

ベトナム転職を成功させるための3ステップ

「今から準備しても間に合うのか」と不安に思う方もいるかもしれません。 大丈夫です。完璧である必要はありません。大切なのは、「自分の現在地」と「最低限必要な準備」を見極めたうえで、動き始めることです。
ここでは、ベトナム転職を成功させるための3ステップを紹介します。

STEP1|「今の自分が、どこで通用するか」を把握する

最初にやるべきなのは、「何年働いたか」や「成果があるかどうか」ではありません。企業が見ているのは、 今のあなたが入社した場合、どのレベルの業務を任せられそうかという点です。

営業職の場合は以下が挙げられます。

  • どの商材を扱ってきたのか(何を)
  • 新規/既存の比率はどれくらいか(どんな営業スタイルで)
  • 上司の指示がなくても回せていた業務は何か(自走力)
  • 数値目標をどの程度、自分で管理していたか(数値管理)

こうした事実ベースの情報から、 企業は「再現性」を判断します。
この段階で重要なのは、 背伸びすることではなく、現在地を正しく把握することです。
そのために、過去の経験を整理し、「何をしてきたのか」「どこまで一人でできるのか」を言語化しておきましょう。

STEP2|「足りないもの」を全部埋めようとしない

STEP1で現在地を把握すると、多くの人が次にこう考えます。
「語学も弱いし、業界知識も浅い。まだ応募できないのでは?」
しかし、ベトナム転職では すべてを揃えてから動く必要はありません。
選考スピードが早く、企業側も「入社時点で完璧な人材」が来るとは考えていないからです。
ここで大切なのは、足りないものを全部埋めることではなく、“選考に進むために最低限必要な補足”を見極めることです。

* 語学:一定期間の継続が評価されやすいが、流暢さは求められない
* 業界理解:きちんと「調べているか」「説明できるか」が重視される
* IT・ツール:実務経験がなくても、基礎理解があれば十分な場合が多い

重要なのは、「今、何を補おうとしているのか」を説明できる状態にしておくことです。
学習期間の長さよりも、判断理由と行動内容が具体的であるかどうかが見られています。

STEP3|情報を増やしながら、進め方を調整する

STEP1とSTEP2で現在地と準備の方向性を整理できたら、次は判断材料を増やしながら、進め方を調整していく段階に入ります。
実際の転職活動では、企業がどの経験に関心を持つのかどの点について詳しく聞かれるのかまたどこが不足していると判断されるのか、など事前に想像していた内容とズレることも少なくありません。

そのため、応募企業からのフィードバック面接での質問内容書類選考で止まった理由などを手がかりに、 職務経歴の伝え方や補足すべきスキルを調整していくことが重要です。

客観的な判断が難しいと感じた場合は、ベトナム転職に詳しいキャリアアドバイザーに相談するのも有効です。
求人の選考基準や、企業が実際に重視しているポイントなど、一人では得にくい情報を基に、準備の方向性を調整できます。

大切なのは、 やみくもに応募を続けることでも、 一人で抱え込むことでもありません。
状況に応じて情報を整理し、次の判断につなげていくことが、 結果的にミスマッチを減らし、転職成功につながります。
STEP1とSTEP2を押さえていれば、 活動を進めながらでも、 判断の精度を高めていくことは十分に可能です。

まとめ|”営業だけ”では通用しない時代。武器があれば十分戦える

若手営業でも、ベトナムで採用されるチャンスは十分あります。ただし、「営業経験があるから大丈夫」という時代は終わりました。
企業が見ているのは、あなたが持つ「武器」が1つでもあるかどうか。語学、数値管理、業界知識、自走力。どれか1つでも準備できていれば、合否は大きく変わります。
そして、その武器を「どう伝えるか」も同じくらい重要です。実績をストーリーで語る、志望動機に企業研究を入れる、語学学習の証拠を示す、面接で質問をする。こうした伝え方の工夫が、あなたの通過率を確実に上げます。
「海外で頑張ります」から、「こういう価値提供ができます」へ。その認識があるだけで、選考の結果は変わります。
まずは、あなたの「+α」を見つけることから始めてみませんか?