ベトナム就職を検討する際、 「福利厚生は日本と比べてどう違う?」 と気になる方も多いのではないでしょうか。
ベトナムでは有給休暇や社会保険などの基本制度に加え、日本とは異なる福利厚生や文化も存在します。また、実際の待遇やサポート内容は企業によって異なるため、転職時には事前に確認しておきたいポイントの一つです。
この記事では、ベトナムで働く際に知っておきたい福利厚生や待遇制度について、日本との違いも含めて分かりやすく解説します。
目次
ベトナムの福利厚生は日本とどう違う?
ベトナムの福利厚生には、大きく分けて、①法律で定められた制度(法定福利)と②企業ごとに導入している制度(法定外福利)の2種類があります。
例えば、社会保険や有給休暇、産休制度はベトナム労働法に基づく制度です。
一方で、住宅手当や海外医療保険の有無、テトボーナスなどは、企業によって内容が異なります。
また、日本では「制度」として福利厚生を捉えることが多い一方、ベトナムでは社員旅行や季節イベント、家族向けのプレゼントなど、「会社文化」も待遇の一部として考えられている点が特徴です。
さらに、テトボーナスや13か月目給与など、賞与・慣習的な制度が広く取り入れられている点もベトナムで働く特徴の一つといえるでしょう。
ベトナムで一般的な福利厚生・制度

ここでは、ベトナムで一般的な福利厚生や制度について紹介します。
日本と似ている部分もありますが、有給休暇制度や社会保険など、異なる点もあります。
強制保険制度
ベトナムには、主に以下の強制保険制度があります。
| 社会保険 | 疾病手当、産休手当、労災補償、退職年金(一時社会保険含む)など |
| 健康保険 | 医療費の一部補助 |
| 失業保険 | 失業時の給付金(加入期間、失業前の賃金額に応じて決定) |
このうち、日本人を含む外国人労働者は、社会保険と健康保険が適用対象となるケースが一般的です。一方で、失業保険は通常対象外となります。
日本と比較すると、ベトナムの社会保険制度は比較的シンプルで、企業側の負担割合が高い点が特徴です。
会社と個人の負担割合の目安を比較すると、以下のようになります。
| 会社負担率 | 個人負担率 | |
| 日本 | 15% | 15% |
| ベトナム | 21.5% | 10.5% |
※日本は標準報酬月額、ベトナムは上記参照給与を基準としています。
また、企業によっては法定の健康保険に加えて海外医療保険や民間医療保険を提供しているケースもあります。
海外勤務に慣れていない方にとっては、こうした制度が安心材料になるでしょう。
有給休暇制度

ベトナムでは、労働法により有給休暇制度が定められています。
日本と比較すると、付与方法や休暇制度の法的な扱いに違いが見られる点も特徴です。
一般的なオフィスワーカーには年間12日の有給休暇が付与され、勤続5年ごとに有給休暇が1日追加されます。
業務内容や労働者の区分によって有給日数が異なる場合もあります。
| 区分 | 年間有給日数 |
| 通常の労働者 | 12日 |
| 困難・有害・危険な職種、未成年者、障害のある労働者 | 14日 |
| 特に困難・有害・危険な職種 | 16日 |
付与方法は日本とは異なり、「入社6か月後から付与」ではなく勤務期間に応じて月割りで付与されます。
そのため、入社初期から有給休暇を取得できるケースもあります。
ベトナムでは、祝日と有給休暇を組み合わせて長期休暇を取る人も多く見られます。
テト(旧正月)休暇に加え、4〜5月、9月頃にも連休があり、日本と比べてまとまった休みを取りやすい傾向があります。
ベトナムの祝日については以下も参考にしてください。
【2026年最新版】ベトナム祝日カレンダー|テト・連休・イベントまとめ
また、年次有給休暇とは別に、結婚や家族の慶弔時に給与が支給される私的な休暇(特別有給休暇)を取得できます。
| 内容 | 付与日数 |
| 本人の結婚 | 3日 |
| 実子・養子の結婚 | 1日 |
| 実父母、養父母、配偶者の実父母もしくは養父母、配偶者、実子または養子の死亡 | 3日 |
産休・育休制度

ベトナムでは、最大2か月の産前休暇を含む、6か月間の産休制度があります。
産休期間中は、社会保険から給与相当額が支給される仕組みとなっており、日本と比較しても手厚い制度といわれることがあります。
また、出産時には一定の一時金が支給される制度もあります。
父親向けの育児休暇制度もあり、出産時には男性側も数日〜2週間程度の休暇を取得できます。
日本と比較すると、休暇期間は日本の方が長い一方で、ベトナムは給与補償が比較的手厚い点が特徴です。
日本人採用企業でよくある福利厚生・待遇
ベトナムで日本人を含む外国人採用を行っている企業では、海外勤務をサポートする制度が用意されていることが多いです。
ここでは、日本人向け求人でよく見られる福利厚生や待遇を紹介します。
ビザ・ワークパーミット取得支援
ベトナムで働く場合、ワークパーミット(労働許可証)やTRC(テンポラリーレジデンスカード)の取得が必要になります。
企業側がこれらの取得費用を負担したり、手続きをサポートすることが一般的です。
海外転職では、こうしたサポート体制も事前に確認しておくと安心です。
医療保険
現地の健康保険に加えて海外医療保険が付帯するケースも見られます。
海外医療保険がある場合、日本語対応可能な病院やキャッシュレス診療に対応したクリニックを利用できることもあります。
特に初めて海外で働く方にとっては、安心材料の一つとなります。
住宅手当
住宅手当や家賃補助を設けている企業もあります。補助内容は企業によって幅があり、一定額を手当として支給する場合や、家賃の一部を会社が負担するケースもあります。
また、一部企業では会社契約の住居を用意している場合もあります。給与条件とあわせて確認しておくことが大切です。
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渡航費・一時帰国費用補助
赴任時の渡航費を負担する企業も存在します。
また、年1回程度の一時帰国費用を補助する制度が設けられているケースもあります。待遇面は求人ごとに差があるため、事前に確認しておくと安心です。
ベトナム特有の待遇・文化

ベトナムでは、法律で定められた福利厚生に加えて、企業ごとの慣習や文化として定着している待遇も多く見られます。
特に、テト(旧正月)に関連する制度や社内イベントは、ベトナムの職場文化を理解するうえで重要な要素の一つです。
テトボーナス
ベトナムでは、旧正月(テト)の前に「テトボーナス」が支給されることがあります。
法律で義務付けられている制度ではありませんが、多くの企業で慣習的に支給されており、ベトナムらしい待遇文化の一つとなっています。
支給額や条件は企業によって異なり、業績や勤務評価によって変動するケースもあります。
また、転職時期によっては支給対象外となる場合もあるため、事前に確認しておくと安心です。
13か月目給与
ベトナムでは、「13か月目給与」と呼ばれる制度を導入している企業もあります。
これは、通常の12か月分の給与に加えて、追加で1か月分程度の給与を支給する仕組みです。年末やテト前に支給されることが多く見られます。
テトボーナスと混同されることもありますが、13か月給与は月給1か月分に近い金額で支給されることが多いのに対し、テトボーナスは業績や評価によって金額が大きく変動するケースが多い点が特徴です。
社員旅行・社内イベント
ベトナムでは、社員旅行や食事会などの社内イベントが多くの企業で実施されています。
中秋節のギフトや誕生日イベントなど、季節行事や社員・家族向けの取り組みも広く見られます。
こうした社内イベントは福利厚生というよりも、職場のコミュニケーションや関係性を重視する文化の一部として定着しています。
まとめ
ベトナムの福利厚生は、社会保険や有給休暇などの基本制度は法律で定められている一方、住宅手当や海外医療保険、ワークパーミット取得支援などは企業ごとに大きく異なります。テトボーナスや13か月目給与など、ベトナム特有の待遇も含めて、給与だけでなくトータルの条件で比較することが大切です。
転職先を検討する際は、気になる企業の福利厚生をできるだけ事前に確認しておくと安心です。
詳細検索ページの待遇・福利厚生タグからも、気になる条件を探してみてください。
参考URL
https://www.jica.go.jp/Resource/project/vietnam/021/legal/ku57pq00001j1wzj-att/labor_law_2019.pdf https://www.jetro.go.jp/ext_images/industry/life_science/healthcare_asean/vn.pdf
