ベトナムの転職市場は、いまや「人材獲得激戦期」といわれるほど競争が激化しています。日系企業は依然として人気があるものの、現地の不動産・IT企業の台頭や韓国・欧米企業の進出により、優秀な若手層の獲得は一段と難しくなっています。
近年では、職業選択の幅も広がりつつあり、ベトナム人材の就職・転職の動きは多様化しています。最新の統計によると、ベトナムの人口はすでに1億人を超え、労働人口も引き続き増加傾向にあります。
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一方で、若手世代のフリーランス志向の高まりや熟練労働者の不足により、企業は人材確保の戦略を変える必要があります。
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こうした背景から、企業は「人材を選ぶ側」から「人材に選ばれる側」へと採用戦略をシフトさせることが求められています。
本記事では、特にデジタル面における採用ブランディングのポイントを解説し、競争の激しいベトナム市場で優秀層を惹きつける方法をご紹介します。
目次
自社Webサイトで企業魅力を伝える
優秀な人材を惹きつけるためには、まず自社のWebサイトで企業の魅力をわかりやすく伝えることが重要です。応募を検討する候補者は、企業の理念や文化、成長の機会をWebサイトから判断することが多く、ここでの印象が応募意欲に直結します。
1. 企業理念や代表メッセージを明確に掲載
企業の方向性や価値観を一目で理解できるように、企業理念や代表からのメッセージを分かりやすく掲載しましょう。候補者に「どんな会社なのか」を直感的に伝えることが大切です。
2. 社風やカルチャーを伝えるコンテンツを用意
社員の日常や社内イベント、プロジェクトストーリーなど、社風やカルチャーが伝わるコンテンツをWebサイトに掲載すると効果的です。例えば「Our Stories」のように、社員の経験や企業の社会的取り組みを紹介する記事は共感を呼びやすくなります。
3. キャリア開発や研修制度を明示
入社後の成長機会を具体的に示すことで、候補者に長期的なキャリアビジョンを描かせることができます。研修制度や昇進の仕組み、スキルアップ支援などを丁寧に紹介しましょう。
4. 社員インタビューで働くイメージを可視化
社員の声や働き方のリアルを伝えることで、応募前に「自分が働く姿」をイメージさせることができます。部署ごとのインタビューやキャリアパス紹介など、多角的な視点を取り入れるとさらに効果的です。
5. ブログやニュースを定期的に更新
会社の取り組みや社員の活躍、業界情報などをブログで定期的に発信することで、SEO効果を高めつつ、企業の魅力を継続的にアピールできます。情報発信の積み重ねが、潜在的な候補者の認知向上にもつながります。
SNSを活用して潜在候補者にアプローチ

優秀なベトナム人材にリーチするには、WebサイトだけでなくSNSの活用も欠かせません。
特に若手層は日常的にSNSを使って情報収集や転職活動を行っており、企業の露出を増やすことで親近感や応募意欲を高めることができます。
ベトナムの若手世代(Z世代)の特徴やSNS利用傾向については、こちらの記事も参考になります。
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Facebook:求人情報や社内の雰囲気を発信
ベトナムではFacebookが転職活動にも広く活用されており、求人情報の掲載や社内イベントの紹介に向いています。写真や動画を交えて社内の雰囲気を伝えることで、企業への興味を喚起できます。
TikTok:動画で若手層にアピール
短尺動画を使ったコンテンツは、特に若手候補者に効果的です。社員紹介や社風をわかりやすく表現した動画を投稿することで、候補者の注目を集めやすくなります。
日本語を使った動画や、日本人社員が出演するコンテンツはバズりやすい傾向があります。
Instagram:サービスや日常のオフィス風景を見せる
ビジュアル重視のSNSであるInstagramでは、サービス内容の紹介やオフィスでの働き方、社員の日常などを投稿することで、企業の魅力を直感的に伝えられます。
リールやストーリーズを活用して、日々の情報発信を習慣化することがポイントです。
採用ブランディングで押さえるポイント
人材獲得競争が激しいベトナム市場で、優秀な人材に選ばれるには、単に求人を出すだけでは不十分です。求職者が企業に魅力を感じ、応募意欲を高めるには、以下の3つのポイントを意識した採用ブランディングが欠かせません。
求職者目線で情報を整理
企業が伝えたいことだけでなく、求職者が「知りたい」と感じる情報を整理して発信することが重要です。
仕事内容や給与条件に加え、働き方やキャリアパス、社内の雰囲気などを具体的に提示することで、応募検討時の不安を解消できます。
見やすさ・分かりやすさを重視
せっかく情報を掲載しても、複雑で読みづらければ候補者はすぐに離れてしまいます。
Webサイトや求人票はレイアウトや言葉選びに配慮し、直感的に理解できる表現を心がけましょう。図表や写真を取り入れるのも効果的です。
デジタル発信で応募者との接点を増やす
自社WebサイトやSNSの更新を通じて、候補者と継続的に接点を持つことが信頼につながります。特にベトナムの若手層は日常的にオンラインで情報を収集しているため、定期的なデジタル発信は応募者の関心を維持するうえで不可欠です。
まとめ
優秀なベトナム人材に選ばれる企業になるためには、Webサイト・SNSを活用した採用ブランディングが不可欠です。
求人票作成や選考設計のサポートも可能ですので、採用戦略に関してお悩みの企業様はぜひご相談ください。
奥平 未来
国家資格キャリアコンサルタント
2015年にベトナムへ移住し、以来ハノイを拠点に日系企業の採用支援に携わる。
現在はG.Aコンサルタンツベトナムのハノイ拠点長として、製造業・商社・サービス業を中心に数百社以上の採用を支援。ベトナム人・日本人双方の転職市場や労働慣習に精通しており、企業文化にフィットする人材採用を強みとしている。
