コロナが収束し始め、海外就職が再び脚光を浴びるようになってきました。この記事では、ベトナムで仕事経験を積んだHさんのインタビューを通し、ベトナムでの生活や仕事環境、そして海外で働く際の心構えをお伝えします。
海外で成功を掴むために本当に必要なものは、仕事を楽しむ力だと、Hさんは話してくださいました。仕事を楽しむことこそ、成長の源なのです。
HさんはG.A.Consultants Vietnam ハノイオフィスで2022年から2024年まで駐在し、人材紹介会社の営業職として勤務。主な業務は、ベトナムに進出している日系企業向けに、日系企業で働きたいベトナム人やベトナムで働きたい日本人の求職者を紹介していました。特に、企業側の求人開拓に力を入れており、法人営業を担当。キャリアアドバイザーとして求職者との面談も行っていました。現在は駐在を終え日本へ本帰国し、同じ企業に所属しながら日本語学校の学校管理、業務改善、事業企画などの仕事に従事しています。
ー目次ー
・ベトナム就職に至った経緯
・ ベトナムでの仕事内容や言語について
・ベトナムの仕事環境
・ベトナムの会社に就職して苦労した点はありますか?
・ベトナムで働いて成長したことや身についたスキルについて
・ベトナムでの仕事を通じて変化したこと
・ベトナムの暮らしについて
・海外転職をしたい方に向けてのアドバイス
・このブログを読んでくださった方へ
Q:どのような経緯でベトナムに行くことになったのですか?
A:学生時代から「20代で海外勤務」を目標にしており、その目標の実現可能な企業に新卒で入社しました。日本のG.A.Consultantsで5年ほど働き、営業数字で良い実績を残しつつ海外赴任の希望を会社に伝えていました。そして2022年にベトナムへの赴任が決まりました。
Q:働く国をベトナムにした決め手はなんですか?
A:学生時代に留学するなど英語は勉強していましたが、ビジネスシーンで英語を使う自信はありませんでした。もともとアジアが好きなこともありますが、日系企業のプレゼンスが高いベトナムであれば、英語を武器にしなくても日本の厳しい商習慣で育んだ日本人ビジネスパーソンとしての価値を発揮し働く道があるのではと考え決めました。
Q:働く際の言語は何を使っていますか?
A:業務では主に日本語7割、英語3割を使用していました。
Q:ベトナム駐在時に培った人的ネットワークについて教えてください。
A:社外では9割以上日本人ビジネスパーソンとお会いしていました。会社のターゲットクライアントは日系企業でしたので、日本人コミュニティーに顔を出す事で自身の営業活動に繋がると考え、意図的に日本人コミュニティの中でネットワークを広げました。日本にいたら絶対に会うことのなかったであろう多様な業界の経営層と出会うことができ、自然と自身の視座を高めることができました。駐在を終えた今でも繋がりを持ち続けており、大切な財産です。
Q:ベトナムでの働きやすさについてお聞かせください。
A:日本と比べるとママさんの活躍が多かったりと、女性の方が頑張って働いている印象が非常にあります。産休でお休みをしていても半年経てば職場に戻ってくるし、人によっては半年経たずに帰ってくるし(笑)会社がもう休んでいいよって言っても生まれてきそうな大きいお腹を抱えて出社したり、生まれる前日とかまで働いている人もいます。産休制度もあることに加えて、公的・私的な子育てサポートが日本より充実しているため、女性が途中でキャリアを諦めたり、妥協したりすることなく、努力をしただけ成果が見えやすい、活躍しやすい環境だと思います。
Q:仕事面において日本とベトナムでの違い、苦労した点などありますか?
A:私たちの会社は人材紹介会社の中でも外国人に特化しています。日本人向けの人材紹介会社ではなく、外国の人向けなので、日本にいた時から社員の3割程度がベトナム人やミャンマー人でした。新卒の時から外国籍の通訳さんが隣の席に座っているし、ベトナム人と一緒に企業訪問するし、常に身近に外国の方がいる環境でしたね。だから私の場合は気持ちの面では場所が変わったから苦労するとか大きい違いはそんなに感じなかったかなと思います。
環境面では日本とは異なる道路インフラや交通状況が最大の課題でした。特に予想外の渋滞でお客様との約束に遅れたこともありました。交通面にはとても苦労させられましたね。
Q:ベトナムで働いて成長したところはありますか?
A:日本のように予定通りに物事が進む環境と比べると、ベトナムは想定外のことが発生したり、都度自身の判断力が求められる場面が多いです。ベトナムでの経験を経てあまり物怖じしなくなり、想定外のことが起きても冷静に対処できる、何とかなる思考が身につきました。今の日本語学校での業務は初めてのことだらけですが、何か問題が発生しても一つずつ対処できているように思います。
Q:ベトナムでの仕事を通じて、これまでの職業観に変化をもたらした経験はありますか?
A:ベトナムでの経験を通じて、仕事を楽しむことの大切さに気付きました。
ベトナムでは周りの人に恵まれて、仕事に前向きな人が多かったので、私もこういう人たちのように仕事に前向きで、一緒に仕事をしたいと思われる人間であろうと考えました。結果として、社内のベトナム人スタッフともうまくコミュニケーションが取れるようになりましたし、そのことで仕事の質が上がり、クライアントからの信頼も高まり、仕事の依頼が増えるというサイクルが生まれました。
ベトナムでの経験を経て、どうせ8時間働くなら楽しく仕事をしたいと日本に帰ってきた今でも思います。自分の人生を楽しくさせるのは自分自身なので、どうやったら今の仕事が楽しくなるか?周りから見て今のわたしは楽しそうか?と考えるようになりました。
Q:ベトナムで暮らしてみて暮らしやすいと思ったところはありますか?
A:治安の良さ、物価の安さ、お酒の安さが特に魅力的でした。日本人が住むエリアの家賃は高めですが、総じて住みやすい国だと思います。
一方で日本の100円ショップのような高品質・低価格の商品を手に入れるのは少し難しいなと感じました。高品質の商品はその価値に見合ったお値段がします。けれども全体的に見ると基本的にベトナムは暮らしやすい国だと思います。
Q:ベトナムで仕事を考えている人に向けて事前に準備しておくことや心構えはありますか。
A:気持ち面でいうと前向きであることがいちばん大切であると思います。また仕事や異文化を楽しむことが出来るかも重要です。
また、海外就職を目指すなら、まずは日本でのキャリアをしっかりと築くことをおすすめします。
もしあなたが今学生で海外就職を目指していたとしても、まずは新卒で日本の企業に入るのは良い選択だと私は思います。日本の企業は新卒社員に対してマナーや仕事の進め方など社会人として働くための基礎を丁寧に指導してくれます。
一方で、日本で社会人経験を積まずに海外で働く場合ですが、そもそも海外拠点では少数精鋭の環境が多く加えて日本人は2,3人ほどと少数派になることが多いです。そうなると若手だからと手取り足取り教えてもらう時間はなく、自分で基礎的なマナーやルールを学んで行かないといけません。日本で基本的な事を学んできてる人と学んできていない人とでは、海外でのパフォーマンスに差が出ると感じています。またベトナムは就業経験がないとビザが取れないので新卒で働くとなると選べる仕事が狭くなってしまいます。自分がどのようなキャリアを築きたいのかを考えてみることが大切ですね。
ベトナムでの就職は、他国とは異なる独自の魅力があります。特に、日本人であることを活かして国際的なキャリアを築きたい方にとっては、ベトナムは理想的な選択肢です。この記事を通じて、ベトナムでの仕事や生活のリアルな一面を知っていただけたでしょうか。これから海外での転職、キャリアチェンジ、セカンドキャリアを考えている皆さんにとって、ベトナムはぜひ検討してほしい国のひとつです。皆さんが最適なキャリアを見つけ、充実した海外生活を送れることを願っています。
コロナが収束し始め、海外就職が再び脚光を浴びるようになってきました。この記事では、ベトナムで仕事経験を積んだHさんのインタビューを通し、ベトナムでの生活や仕事環境、そして海外で働く際の心構えをお伝えします。
海外で成功を掴むために本当に必要なものは、仕事を楽しむ力だと、Hさんは話してくださいました。仕事を楽しむことこそ、成長の源なのです。
HさんはG.A.Consultants Vietnam ハノイオフィスで2022年から2024年まで駐在し、人材紹介会社の営業職として勤務。主な業務は、ベトナムに進出している日系企業向けに、日系企業で働きたいベトナム人やベトナムで働きたい日本人の求職者を紹介していました。特に、企業側の求人開拓に力を入れており、法人営業を担当。キャリアアドバイザーとして求職者との面談も行っていました。現在は駐在を終え日本へ本帰国し、同じ企業に所属しながら日本語学校の学校管理、業務改善、事業企画などの仕事に従事しています。
ー目次ー
・ベトナム就職に至った経緯
・ ベトナムでの仕事内容や言語について
・ベトナムの仕事環境
・ベトナムの会社に就職して苦労した点はありますか?
・ベトナムで働いて成長したことや身についたスキルについて
・ベトナムでの仕事を通じて変化したこと
・ベトナムの暮らしについて
・海外転職をしたい方に向けてのアドバイス
・このブログを読んでくださった方へ
Q:どのような経緯でベトナムに行くことになったのですか?
A:学生時代から「20代で海外勤務」を目標にしており、その目標の実現可能な企業に新卒で入社しました。日本のG.A.Consultantsで5年ほど働き、営業数字で良い実績を残しつつ海外赴任の希望を会社に伝えていました。そして2022年にベトナムへの赴任が決まりました。
Q:働く国をベトナムにした決め手はなんですか?
A:学生時代に留学するなど英語は勉強していましたが、ビジネスシーンで英語を使う自信はありませんでした。もともとアジアが好きなこともありますが、日系企業のプレゼンスが高いベトナムであれば、英語を武器にしなくても日本の厳しい商習慣で育んだ日本人ビジネスパーソンとしての価値を発揮し働く道があるのではと考え決めました。
Q:働く際の言語は何を使っていますか?
A:業務では主に日本語7割、英語3割を使用していました。
Q:ベトナム駐在時に培った人的ネットワークについて教えてください。
A:社外では9割以上日本人ビジネスパーソンとお会いしていました。会社のターゲットクライアントは日系企業でしたので、日本人コミュニティーに顔を出す事で自身の営業活動に繋がると考え、意図的に日本人コミュニティの中でネットワークを広げました。日本にいたら絶対に会うことのなかったであろう多様な業界の経営層と出会うことができ、自然と自身の視座を高めることができました。駐在を終えた今でも繋がりを持ち続けており、大切な財産です。
Q:ベトナムでの働きやすさについてお聞かせください。
A:日本と比べるとママさんの活躍が多かったりと、女性の方が頑張って働いている印象が非常にあります。産休でお休みをしていても半年経てば職場に戻ってくるし、人によっては半年経たずに帰ってくるし(笑)会社がもう休んでいいよって言っても生まれてきそうな大きいお腹を抱えて出社したり、生まれる前日とかまで働いている人もいます。産休制度もあることに加えて、公的・私的な子育てサポートが日本より充実しているため、女性が途中でキャリアを諦めたり、妥協したりすることなく、努力をしただけ成果が見えやすい、活躍しやすい環境だと思います。
Q:仕事面において日本とベトナムでの違い、苦労した点などありますか?
A:私たちの会社は人材紹介会社の中でも外国人に特化しています。日本人向けの人材紹介会社ではなく、外国の人向けなので、日本にいた時から社員の3割程度がベトナム人やミャンマー人でした。新卒の時から外国籍の通訳さんが隣の席に座っているし、ベトナム人と一緒に企業訪問するし、常に身近に外国の方がいる環境でしたね。だから私の場合は気持ちの面では場所が変わったから苦労するとか大きい違いはそんなに感じなかったかなと思います。
環境面では日本とは異なる道路インフラや交通状況が最大の課題でした。特に予想外の渋滞でお客様との約束に遅れたこともありました。交通面にはとても苦労させられましたね。
Q:ベトナムで働いて成長したところはありますか?
A:日本のように予定通りに物事が進む環境と比べると、ベトナムは想定外のことが発生したり、都度自身の判断力が求められる場面が多いです。ベトナムでの経験を経てあまり物怖じしなくなり、想定外のことが起きても冷静に対処できる、何とかなる思考が身につきました。今の日本語学校での業務は初めてのことだらけですが、何か問題が発生しても一つずつ対処できているように思います。
Q:ベトナムでの仕事を通じて、これまでの職業観に変化をもたらした経験はありますか?
A:ベトナムでの経験を通じて、仕事を楽しむことの大切さに気付きました。
ベトナムでは周りの人に恵まれて、仕事に前向きな人が多かったので、私もこういう人たちのように仕事に前向きで、一緒に仕事をしたいと思われる人間であろうと考えました。結果として、社内のベトナム人スタッフともうまくコミュニケーションが取れるようになりましたし、そのことで仕事の質が上がり、クライアントからの信頼も高まり、仕事の依頼が増えるというサイクルが生まれました。
ベトナムでの経験を経て、どうせ8時間働くなら楽しく仕事をしたいと日本に帰ってきた今でも思います。自分の人生を楽しくさせるのは自分自身なので、どうやったら今の仕事が楽しくなるか?周りから見て今のわたしは楽しそうか?と考えるようになりました。
Q:ベトナムで暮らしてみて暮らしやすいと思ったところはありますか?
A:治安の良さ、物価の安さ、お酒の安さが特に魅力的でした。日本人が住むエリアの家賃は高めですが、総じて住みやすい国だと思います。
一方で日本の100円ショップのような高品質・低価格の商品を手に入れるのは少し難しいなと感じました。高品質の商品はその価値に見合ったお値段がします。けれども全体的に見ると基本的にベトナムは暮らしやすい国だと思います。
Q:ベトナムで仕事を考えている人に向けて事前に準備しておくことや心構えはありますか。
A:気持ち面でいうと前向きであることがいちばん大切であると思います。また仕事や異文化を楽しむことが出来るかも重要です。
また、海外就職を目指すなら、まずは日本でのキャリアをしっかりと築くことをおすすめします。
もしあなたが今学生で海外就職を目指していたとしても、まずは新卒で日本の企業に入るのは良い選択だと私は思います。日本の企業は新卒社員に対してマナーや仕事の進め方など社会人として働くための基礎を丁寧に指導してくれます。
一方で、日本で社会人経験を積まずに海外で働く場合ですが、そもそも海外拠点では少数精鋭の環境が多く加えて日本人は2,3人ほどと少数派になることが多いです。そうなると若手だからと手取り足取り教えてもらう時間はなく、自分で基礎的なマナーやルールを学んで行かないといけません。日本で基本的な事を学んできてる人と学んできていない人とでは、海外でのパフォーマンスに差が出ると感じています。またベトナムは就業経験がないとビザが取れないので新卒で働くとなると選べる仕事が狭くなってしまいます。自分がどのようなキャリアを築きたいのかを考えてみることが大切ですね。
ベトナムでの就職は、他国とは異なる独自の魅力があります。特に、日本人であることを活かして国際的なキャリアを築きたい方にとっては、ベトナムは理想的な選択肢です。この記事を通じて、ベトナムでの仕事や生活のリアルな一面を知っていただけたでしょうか。これから海外での転職、キャリアチェンジ、セカンドキャリアを考えている皆さんにとって、ベトナムはぜひ検討してほしい国のひとつです。皆さんが最適なキャリアを見つけ、充実した海外生活を送れることを願っています。